PS4 PS3 MURDERED 魂の呼ぶ声 レビュー

アドベンチャー形式の推理ゲーム。中盤までは面白いが、オチがとても雑。

ゲーム開始数分で、主人公は謎の殺人鬼「ベルキラー」に殺害されてしまう。この世の未練を断ち切るため霊体となり、霊体ならではの能力で殺人鬼の正体を暴いていくというシナリオ。
主人公のロラン、体中に入れ墨があるワケアリな刑事
連続殺人鬼「ベルキラー」は常人とは思えないほどに強く、神出鬼没で証拠一つ残さず殺人を行う謎の存在。主人公が捜査を始める前から多くの人を殺めており、警察も手がかり一つ掴めていない難敵。
進めていくほど「ベルキラー」への憎しみや興味が沸きどんどん調査を進めたくなるが、肝心のオチがイマイチ。開発スタジオがレイオフしたのと関係があるのかは分からないが、なんだか納得出来ない終わり方だった。
謎の連続殺人鬼ベルキラー、正体はおろか目的さえも不明
基本的に戦闘はなく、現場にあるオブジェクトを調査して推理を進めていくのが本筋。
普通の推理ゲームと違う点は、主人公が霊体だという事。人と話すことが出来ないから、推理ものの鉄板である「聞き込み」ができない。
霊体である事を活かして、現場に残された残滓からフラッシュバックを見たり、人に憑依して思考を読み取る事で推理を進めていく事になる。
憑依して思考を読み取ったり、何かを思い出させたりすることができる
過去に起きた出来事を、現場の残滓から読み取る事も
推理以外の要素としては「スニーキング」があり、主人公がいる霊界には「悪霊」が徘徊している。
悪霊に見つかると霊体を食らおうと襲ってるため、気付かれないようにオブジェクトに憑依しながら進んだり、背後から接近し浄化する事で対抗できる。
背後から忍び寄り、コマンドを入力することで悪霊を浄化できる
推理ゲームの単調さを緩和するために入れた要素なんだろうけど、悪霊が後ろを向くまで待つのが逆に退屈。個人的にはいらない要素だと感じた。

エリアには200以上の様々な収集品が落ちており、一部の収集品を集めきるとフルボイスの怪談が聞け、それを楽しみに集めたくなるのだが、それ以外の収集品は集めても特に情報は貰えず、入り組んだエリアを駆け回って集める甲斐がない。霊体の相談を引き受けるサブミッションもあるが、これも数えるほどしかない。

街にいる人に憑依すれば思考を読み取れると知り、最初は「ウォッチドッグス」の会話傍受的な面白さがあるのかな~って思ったけど、思考のバリエーションが少なく、誰に憑依してもほとんど同じ思考ばかりで面白くない。辺りにいる霊体に死んだ時の話を聞くのは面白かったけど、霊体の数が少ないから会話の楽しみはほとんど無い。

グラフィックはPS4にしては低質。BGMもほとんどなく、サブシナリオやイベントも少ないから、シナリオ一本勝負って感じの作り。

致命的ではないがいくつかのバグも存在し、操作が効かなくなったり、変な所にハマったり、音声と字幕が消えるものに遭遇した。
霊体との会話が楽しいと思っていたのに、霊体に話しかけた途端音声と字幕が消え、再起動したらもう話しかけられなくなっていてかなり腹が立った。

その他気になった点は、マップが存在しないために街で迷いやすい事と、通り抜けられない壁がかなり多いこと。
街自体はそれほど広くないが入り組んだ構造になっており、どこも同じような景色で迷いやすい。主人公は霊体だから壁を自由に通り抜けられると思いきや、そこら中に魔除けや霊界のオブジェクトが配置されており、壁抜けできる意味があるのか?と思うほど自由に移動できない。
壁抜けで隠された部屋を見つけるとかそういうイベントも無くて、壁抜け出来る意味が本気でよく分からなかった。

難易度はかなり低く、基本的にはシナリオを追うだけなのでほとんどの人が一度もやられずにクリア出来るだろう。クリアまでの時間もシナリオだけなら5時間ほどで終わってしまうほど短い。
ゲームと同じでトロフィーの難易度も低い。一部のエリアは時限で入れなくなり、それまでに収集品を集めきっていないと二周するハメになるので注意が必要だが、収集品を集めるだけでトロコン出来るのでかなり簡単な部類。

正直に言うと、あまり褒めるところが無い。
推理モノとしてはオチが弱いし、ゲームとしての演出も弱いと感じた。
それでも「ベルキラー」が何者なのか?という興味を引き立てるシナリオの流れは面白く、途中まで夢中で捜査していたのもまた事実。このオチを気に入る人もいるかも知れないので「つまらなくは無かった」という言葉で締めくくらせてもらう。


プレイ時間 15時間

グラフィック ★
音楽 ★
内容 ★★
難易度 ★
トロフィー難易度 ★

総評 ★★

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