海外で歴史のあるFPSシリーズの最新作。
第二次世界大戦でドイツが勝利し、そのまま世界を掌握したというシナリオで、ナチスが持つ圧倒的な戦力と機械兵器にレジスタンスとして抗っていくという内容。
オンライン要素は無く、 シングルのストーリーモードのみという大手では珍しいタイプのFPSとなっている。
戦闘はいたって平凡。L1を押すとカバーアクションが可能で、その場に立ったまま上下左右への微調整ができる。そのおかげで操作にストレスは感じないが、特に目立ったアクションもなく、いくらでもありそうなFPSといった感じ。
ナチスが所有する犬型や人型の機械兵器と戦うのを楽しみにしていたが、登場回数は非常に少なく、戦闘のほとんどは人との撃ち合い。隠れて撃って、隠れて撃っての繰り返しで時間が過ぎていくのは結構退屈だった。
一応ステルス要素があり、敵司令官を先に倒すと増援を呼ばれなくなる等、ステルスキルが重要になるシーンも多い。
誰にも気付かれず全員を抹殺したり、遠くから投げナイフでサクッとステルスキル出来た時は気持ち良い。
ライフは自動回復だが、ダメージを食らいすぎると回復の上限が下がっていくシステム。ライフが30まで減ると40までしか回復しなくなり、1まで減ってしまうと20までしか回復しなくなる。
回復アイテムを拾えば上限を回復できて、ライフが最大の状態で回復すると一時的にライフの上限を超えて回復できる。すぐ元に戻っちゃうから、あんまり意味無いけど。
個人的にだけど、FPSの自動回復はあんまり好きじゃないので、このライフ制度はけっこう好き。ダメージを食らうことのペナルティがしっかりしてるから、戦闘の緊張感がちゃんとある。
武器は全部で5種類、数は少ないが全ての武器で二丁拳銃ができるため、さながらランボーのようにショットガンやライフルを二丁持って撃ちまくるのは結構快感。またアタッチメントで銃弾を変えたり、ランチャーが付けられたりするため、状況によって色々な使い分けが出来る。
中にはレーザーカッターみたいな超技術の武器もあって、壁に穴を開けて進んだりレーザーを打ち出して攻撃したりもできちゃう。
PERK要素もあり、ステルスキルで○○を倒す、○○の銃で何人倒す等、決められたノルマをクリアすることで能力が解除されていく。手榴弾を投げ返せるようになったり、リロードが早くなったりと色々。
意図しないと解除できないようなPERKもあるけど、ほとんどはプレイしながら徐々に解除されていく感じ。
PERKのノルマは死んでもカウントされていくため、死ねば死ぬほどPERKの解除が早くなる。FPSがうまくないプレイヤーへの配慮だと思うけど、これは良いね。
宝や手紙などの収集要素があり、ライフアップやアーマーアップ、さらには武器のアタッチメントといったアイテムも落ちているため、結構そこら中歩き回りたくなる。
しかし、進んでしまうと戻れなくなる場所が結構あるため、気を抜いているとすぐに取り逃してしまう。探索中に落下等で死んでしまうと戦闘の前に戻されたり、細かい所でのストレスが多い。探索要素があるなら、チェックポイントの位置にはもう少し気を遣って欲しかった。
また、敵AIの頭が悪く、箱につっかかってこっちに来なかったり、ほとんど目の前を通っているのに気付かなかったりと結構気になる。ステルス要素のあるFPSでは、ある程度仕方ないのかな。
という感じで、正直戦闘面はイマイチだったけど、シナリオや雰囲気はなかなか良い。
ゲームは第二次世界大戦の最終局面から始まり、そこでドイツ軍の圧倒的戦力と残虐性をとことん味わわさせられる。ネタバレなのでどういうシーンかは言えないけど、結構心に来るシーンで、敵への憎しみをちゃんと持てた。
主人公だけじゃなくて、プレイヤー側にも戦う理由が出来るって言うのは良いよね。なんだか分からない敵と戦うより、明確にコイツを倒したいって思えた方がプレイの没入感が全然違うし。
敵兵士も「人狼」や「KILLZONEのヘルガスト兵」のような装備でカッコ良く、中にはR-TYPEみたいに中身が脳だけの機械人間も居たりする。
レトロなようでどこか歪なマップといい、機械兵器の無骨な感じといい、探索要素も相まってそこら中歩き回るのが結構楽しい。
たまに主人公がぼそぼそと独り言を言うのだが、コレも結構味があって好き。ボイスが小さすぎて何言ってるのか分からないから、字幕設定は「すべて」に変更しておこうね。
このゲーム、主人公がカッコ良いんだよ。道中の死体を見たり、仲間の死を見た時、心の中で復讐を誓い直す所とか、凄くイイ!覚悟を持った男はカッコイイ!
ただ、主人公の仲間になるメンバーがどいつもこいつも使えない人ばかりなので、そこは正直ムカつく。ほとんど主人公だけ活躍してるのに、怒鳴られたり怒られたりするとイラッとする。
あと、申し訳程度のラブロマンス要素も要らなかった。戦いの目的は味わわさせられた傷への復讐。これだけの方が良かったなあ、女が絡むとなんか違うんだよ。
要らないと言えば、シナリオを進めていくうち、アジトでブリーフィングを行うシーンが何回かあるんだけど、ここがこのゲーム最大の不要な点。
バールを探してきてくれだの、コンクリートを取ってきてくれだの、様々な雑用を押しつけられる。こっちは新入りなんだから物の場所なんか知らないし、自分で取ってくれば良いのに、なんで任せるんだよ、意味がわからん。
アイテムの場所はマップに表示されないから、毎回入り組んだアジト内を探索させられる。
しかも、歩いてると邪魔だの消えろだの悪態をつかれるし、罰ゲームか何か?
難易度はそこそこで、一番高い難易度でクリアまでに50回ぐらい死んだ。これが多いのか少ないのかは、各自の判断に任せたい。個人的には敵の出現パターンやアイテムの位置をしっかりと把握出来れば、詰まることなく攻略していける難易度だと感じた。
低難易度だと銃を二丁持って連射してるだけでクリア出来るから、シナリオが見たいだけならこっちの方が良いかも。
プレイ中に集めたエニグマコードという機密文書を解読することで、ベリーハードよりも更に上の難易度やその他のゲームモードが解放されるから、一応やりこもうと思えばやりこめる感じかな。
トロフィーは楽勝。トロフィーブーストゲー。
面倒なのは探索要素のコンプリートだけで、その辺りの動画を見ながら回収すれば難なくトロコンできるレベル。一週は普通に遊んで、二週目に低難易度で回収って言うのが良いと思う。
批評が多めになっちゃったけど、こういう雰囲気のシングルFPSは少ないと思うから、FPS好きな人なら結構楽しめると思う。
単純に「超技術を持った独裁ナチスに立ち向かう雰囲気」とか「男の復讐劇」を味わってみたいって人にもオススメ。戦闘云々よりも、そこがこのゲームのキモだと感じたよ。
プレイ時間 20時間
グラフィック ★★
音楽 ★
内容 ★★
難易度 ★★
トロフィー難易度 ★
総評 ★★
これが敵の大将、倒すべき悪 |
ナチスの超科学 |
この禍々しい雰囲気、敵の巨大さを感じさせる |
復讐を誓う主人公、愁いを帯びた目が何とも言えない |
生き残ってしまった事に罪悪を感じる仲間、見てるこっちも辛い |
機械の鎧をまとった敵、二丁の銃で撃ちまくれ! |
超巨大ロボとの戦闘、こういう戦闘がもっと欲しかった |
うるせーボケ!じゃあお前が雑用しろや! |
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