海外で続いているThiefシリーズの最新作。敵に見つからず盗みを行うステルスアクションゲーム。
一人称だし、プレイ感は「ディスオナード」にとても近い。超能力は使えないけど。
シナリオは、シーフである主人公のギャレットが"飢え"と"独裁"と"流行病"がはびこる陰惨な街の謎と、自身に起きた不可思議な現象について追っていくというもの。
ハッキリ言ってシナリオは良くなかった。後半ホラーっぽくなっていくのがダメ、バケモノとか出てくるし。でもステルスゲームとしての完成度は高いから、その辺は割り切って遊んだ。
主人公のギャレットは皮肉屋でイケメン、その上声まで渋い。更に「無駄な殺しはしない」「墓荒らしは盗みではない」「盗みは金額ではなく何を盗むか」といった盗みの信条まで持っており、とにかく渋い!どうせ動かすなら、カッコ良い主人公の方が良いよね!
主人公のギャレット、渋い |
操作方法、武器の切り換えはタッチ操作とスティック操作の選択が可能 |
あくまで「等身大のシーフ」を操作する事になる。このロールプレイが面白い!と思うか、ゲームなんだからもっと凄いことがしたい!と思うのかは人によるんじゃないかな。
主人公は等身大のシーフ、こうなっては逃げる他ない |
フォーカス中は、アクションできる場所や盗めるものが光って攻略を助けてくれる。フォーカスゲージが空でも一瞬だけならフォーカスを使えるので、フォーカスゲージが切れてスイッチが見つからない!どこに行けば良いか分からない!なんて事にはならない、とても親切な作りになっている。
フォーカスを使用。罠や配線がよく見える |
フォーカスのアップグレード |
ピッキング能力をアップグレードすると内部を除けるようになる |
フォーカスの強化や装飾品の購入はお金で行うため、盗むことそのものがレベルアップに繋がっていくシステム。
矢が当たりにくくなる装飾品、逃げる時に便利 |
"Thief"を銘打っているだけあって、まさにステルスがプレイの中心となっているという感じ。
主人公が弱い上にステルス中心とだけ聞くと難しそうなイメージを持つかもしれない。しかしこのゲームは影にさえいればかなり近くじゃないと見つからないし、敵に見つかりそうになると風の音のようなSEが鳴って教えてくれるから、すんなりステルスプレイを楽しむことができる。
暗闇にいれば、この距離でも気付かれない |
逆に、明るい場所だとこの距離でも気付かれる |
排気口から行くか、明かりを消して地上から行くか、 ロープ矢で上から行くかと、盗みを行うまでの経路は比較的自由。どこから攻めるか考えるのも楽しみの一つになっている。
ゲームプレイ自体はかなり地味だが攻略には繊細な気配りが重要で、例えば扉を開ける時は鍵穴を覗いて安全を確認したり、地面に落ちているビンやガラスを踏まないように気をつけたり、雷が落ちる一瞬の明かりに気をつけたり、檻の中の鳥や犬を驚かせないようにゆっくり歩いたり・・・という所まで注意が必要。
ガラス片の他に、ビンや水溜まりにも気を付ける必要がある |
また、物を盗むとリアルタイムで換金されて所持金が増えるんだけど、どんどんお金が増えていくのもまた快感。ピッキングしたり、絵画の裏の隠し扉を見つけたり、探し出した情報から金庫の番号を破ったりして大物を盗むのも気持ちいい。
お金に換金されない貴重な宝は主人公の隠れ家に飾られていくから、収集要素も十分。ちまちました確実な作業が実を結ぶ、そういうのが好きな人にはぴったりなゲームだね。
貴重な宝は、メインシナリオだけでなく、サブクエストや街にある民家に隠してあったりするから、コンプリートのやりがいがある。
懐中時計を盗むと、リアルタイムで20Gに換金される |
お金に換えられない貴重品 |
絵画や宝石等の貴重品は、隠れ家に収集されていく |
ピッキング、失敗すると音が鳴ってしまう |
絵画の裏のスイッチを探す、この演出は新しい |
「メタルギアソリッド」や「スプリンターセル」でも同じような事が言えると思うけど、ステルスゲームはどれだけスマートに任務を完遂するかって所に面白さの比重があると思うから、敵を倒したい!戦いたい!って人には、このゲームは向いてない感じ。
マップの構造もいちいち複雑になってるから、初見のマップをサクサク進むのは困難。そこにストレスを感じるか、複雑だから面白いと思うのかは人それぞれだね。
チャプターやクエストクリア時にはリザルトがあり、全ていつでもやり直しが可能 |
ゲーム中、キャビネットに入ることでいつでもチェックポイントを記録できるため、リトライ自体のストレス低い。だから気にならないと言えば気にならない・・・いや、やっぱり気になる。それぐらいの長さ。
また、街には憲兵が巡回しており、チャプター間の移動やサブクエスト等を進めている時にもこの憲兵達に注意を払わなければならず、ここが非常に面倒。 買い物に行くだけなのに敵に注意を払うのは疲れるから、酒場やアジトへのファストトラベルぐらいは欲しかった。
バグに関しては、たまに音が二重に鳴ったりするぐらいで目立ったものには遭遇しなかった。海外のレビューではバグがあるって聞いてたけど、百聞は一見にしかずだね。
グラフィックはPS4では並のレベル。PS3から考えればとても綺麗にはなっているけど、まぁ普通。PS4で遊んでいれば、そろそろ見慣れてきた感じ。
敵のAIもこれまた普通。賢くなければバカでもない。音が鳴れば見回りにくるし、何度も音がしたり、人影が見えたりすると警戒に入り、巡回範囲を超えて索敵してくる。警戒に入っても、ずっと隠れていれば元の巡回に戻るといった感じ。
ステルスゲームをやっていて毎回思うけど「奇襲を受けたのに時間が経ったら元の巡回に戻る」っておかしいよね。普通、侵入者が居たら見つけるまで探し続けたり、扉を閉鎖したりすると思う。
ゲーム的な要素とリアルな要素を噛み合わせるのはかなり難しいんだろうけど、こういう点を解決しない限り、ステルスというジャンルは次のステップに進めないんじゃないかな。
Thiefも例に漏れず既存のステルスゲームに当てはまったもので、次のステップには至っていない。だからといってつまらないわけではないが、いずれ進化して欲しいと思っている。
クリアまでの時間は街の探索をしたりサブクエストを全て回収しても、最高難易度で20時間ほど。しかし常に気を張っている必要があるため普通のゲームを20時間遊ぶよりずっと長く感じ、そして疲れた。
トロフィーの話をすると、これがなかなか難しい。
全収集品を集めたり、全ての隠しエリアを見つけるトロフィーは、動画を見ながらでも大変。
更に、通常の難易度設定に自分で縛りを追加できるカスタム難易度なるものがあり、最高難易度に加え「ノーキルノーテイクダウン」「ノーアラート」「ノーダメージ」「ノーフォーカス」の縛りを設定してクリアする必要がある。結構な数のリトライが必要になるため、トロコンには忍耐が必要になるだろう。
1週目は普通に、2週目はカスタム、3週目にイージーで収集要素の回収という流れが良いと思う。
カスタム難易度設定。中にはセーブなしという鬼畜な縛りもある |
ひっそりと影を行く快感を味わってみたいなら、是非プレイして見ることをオススメする。
プレイ時間 45時間
グラフィック ★★
音楽 ★
内容 ★★★
難易度 ★★★
トロフィー難易度 ★★★
総評 ★★★
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