PS3 PSV 真 流行り神 レビュー

オカルトホラーを名乗ってはいるが、実際はホラーではなく、グロ演出が多いスプラッター系。そういう系が好きなら、オススメなのかも・・・?

3まで出ていたオカルトホラーゲーム「流行り神」のリブート作品。登場人物は一新されているため、前作をプレイしていなくても、問題なく遊べるようになっている。
この作品は「都市伝説」をテーマにしており、起きた事件が人の手によるモノなのか、それとも本当にオカルトなのか、両方の視点から事件を追っていけるのが魅力・・・

だったのだが、今作は事件のルート分岐はなく、解決する正解ルートか、即バッドエンドの失敗選択肢だけになっているため、今までの流行り神と同じだと思うと、ちょっとガッカリするかもしれない。
ゲームの仕様上、スクリーンショットが禁止されている為、今回はスクリーンショットはありません。あしからず。


まずはシステムの説明から。

ゲームを始めると、最初はメインである「ブラインドマン編」を追っていく事となる。
ブラインドマン編をクリアすると、シナリオ中の分岐が増え、それによって「死臭編」「人形編」「パンデミック編」と、様々なシナリオに枝分かれし、事件の内容も結末も全く違ったモノになるシステム。
分岐ツリーがあって、選択肢があったシーンにいつでもジャンプ出来るようになっているから、分岐を追うのは非常に楽。選択肢ごとにセーブとか、めんどくさい事はしなくてオッケー。

バックログとかオートモードとか、ほとんどのシステムは一般的なノベルゲームと同じ。大体のモノが揃っていて。ストレスを感じることはなかった。

それ以外に 「カリッジポイント」 「推理ロジック」 「ライアーズアート」
という、3つの独自要素がある。

「カリッジポイント」は、勇気のポイントみたいなもので、選択肢を選ぶ時にカリッジポイントを消費して、一歩踏み込んだ質問をする事が出来るようになる、というものなのだが、カリッジポイントを使い切る事は一度もなかったので、存在する意味があるのか良くわからなかった。

「推理ロジック」は、事件に登場する人物達の相関図を完成させて、真相を暴くというもの。
大体は犯人も判明し、事件の全貌が明らかになったあとに「推理ロジック」のシーンがあるから答え合わせのようなもので、失敗することはほとんど無く、なくても良かったんじゃないかとも思う。

「ライアーズアート」は主人公と相手との一対一の会話システム。
シナリオ中に何回か行われ、会話の選択肢を選ぶ事によって受け答えが変化し、相手の信用を得るか、逆に疑われるかで、今後のシナリオ分岐に影響していくというもの。
・・・なのだが、相手の反応を予想しながら会話を進めていくのは非常に難しく、主人公が予想に反した会話を行う場合も多いため、ハッキリ言って予測は不可能なレベル。信用を得られるかどうかはほとんど運ゲーで、結局成功するまでクイックロードを繰り返すハメになり、正直面倒だった。
ちなみに、会話中に流れるBGMはアップテンポでカッコイイ曲。これを「ダンガンロンパ」 や「逆転裁判」みたいでカッコイイ!と思う人もいれば、ホラーの雰囲気をぶち壊している!と思う人の2種類に分れるかな。

また、申し訳程度のオンライン要素もあり、バッドエンドを迎えると、自分が何番目にそのバッドエンドを迎えたのかがわかる、謎のシステムも搭載されている。
いや、これ何の意味があるんだよ!わからん!わからんぞ!

こんな感じで、独自要素はあってないようなシステムばかりなので、システム的には一般的な選択肢のあるノベルゲームだと考えて大丈夫だと思う。


続いてシナリオ。

このゲームはシナリオによってキャラクターの立ち位置が変化し、味方だったり敵だったり、有能だったり無能だったり、はたまた犯人だったりするため、このキャラはこういう人で、こういう性格!っていう決まりがないシナリオになっている。
個人的にはこれがイマイチだった。シナリオによって真面目だったりふざけてたり、キャラの個性がバラついてるから、キャラクターへの思い入れとかを抱きにくくなっている気がする。

また、ほぼ全てのシナリオ中、主人公のせいで誰かしらが死んじゃうんだけど、これもダメだった。
自分が操るキャラクターが無能だと、ちょっとイライラしてしまうのよね。

あと大体、事件の犯人が何かしらの「人間的な目的」があって犯行を続けているワケじゃなくて、ただ「狂った思想の末の犯行」のパターンが多くて、オチが強引。
狂っているんだから仕方ないよね~って、動機の部分を丸投げしてる感が強い。
主人公が危機を脱する方法も、たまたま誰かが助けに来てくれたり、たまたま逃げ道があったり、犯人の気が変わって助かったりのパターンが多く、シナリオによっては、ハッピーエンドなのに助からなかったり、バッドエンドだろこれ?と思うようなものもあり、動機も含め、オチの部分は結構雑だと感じた。

恐怖演出も、腕がゆっくり切られ肉がめくれ~とか、肌にノコギリが当たり血が浮き出て~とか、肉体的な恐怖だったり、狂った人間の狂気演出が多く、オカルト的な怖さはほとんど無い。
流行り神に求めていたのは、そういうホラーじゃなかったんだけど・・・。


と、ここまでかなり批判的な内容になったけど、一応クリアまで飽きることなくスイスイ読み進められてはいたので
「オカルトホラーの流行り神」ではなく「スプラッタホラーのノベルゲーム」として、気の狂った人間と主人公の戦いを描いている分には、それなりのクオリティがあったと思う。
タイトルに「流行り神」って付いてなかったら、もう少し違った見方が出来たかも。流行り神のつもりで遊んだから、そのギャップに肩すかしを食らった感が強いかな。

トロフィーの話をするとちょっとだけ面倒で、 全てのバッドエンドを回収する必要があったり、特定の選択肢を選ばないと取得できないキーワードを集める必要があるため、攻略無しだとそれなりの時間がかかる。
といっても、シナリオ自体それほどの長さはないし、分岐ツリーのおかげでどの選択肢にも簡単に飛べるから、簡単と言っちゃ簡単な方。


オカルトホラーではなく、スプラッタホラーとしてなら、それなりのクオリティを持ったこの作品。
肉体的な恐怖演出が好きなら、遊んでみても良いかも知れない。


プレイ時間 20時間

グラフィック ★
音楽 ★★
内容 ★★
難易度 ★
トロフィー難易度 ★

総評 ★★

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